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2024年07月09日 セミナー
テーマ: 電解質が患者にもたらすさまざまな意味を理解しよう
~ナトリウムを制する者は透析を制する!?~
会 期: 2024年9月22日 (日) 10時~16時 (ランチョンセミナーあり)
会 場: 山形国際交流プラザ 山形ビッグウイング
透析治療の現場では、ドライウエイトを超過した患者や慢性的な体液過剰を伴うフレイル患者が多く見られます。これらの原因を単に塩分や水分の過剰摂取と片付けるのは簡単ですが、それだけが原因でしょうか。
従来、塩分摂取は細胞外液量の増加に直接関係すると考えられていました。しかし、最近の生理学研究によれば、摂取されたナトリウムの一部が皮下組織 (プロテオグリカン) や筋肉に蓄積され、その結果、細胞外液量への影響が緩和されることが分かっています。これは、ナトリウムの緩衝能力が低い場合、体重増加や血圧上昇など、塩分摂取の影響が顕著になることを示唆しています。さらに、塩分負荷が蛋白異化を促進することも確認されています。透析患者は、低栄養や微小炎症と関連することが明らかになっていますが、その低栄養の発生メカニズムには塩分負荷による蛋白異化が関与している可能性も考えられるわけです。
透析患者に対する適切なナトリウム管理は、心血管疾患の予防だけでなく、フレイルの予防にも役立ち、患者の予後改善において重要な役割を果たします。適正なドライウエイトの設定や減塩指導は基本的な対策ですが、個別に対応した減塩指導法、透析液成分濃度の管理・調整方法、透析液ナトリウム濃度を調整した透析方法など、さらなる検討が必要です。
そこで今回、テーマを「電解質が患者にもたらすさまざまな意味を理解しよう~ナトリウムを制する者は透析を制する!?」としました。ナトリウムの生理学に関する新しい知見が増える中で、透析患者の体液管理に関する問題について、本セミナーが再考する機会となれば幸いです。
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©2023, Japanese Society for Technology of Blood purification