透析液成分濃度測定装置の校正パラメータの変更は、2018年2月1日より測定装置メーカによって順次行われています。
関係者の皆様は、ご一読下さい。
・第5回透析液成分濃度測定装置認証試験の結果、認証装置が更新されました(2021年12月19日)
・第3回JSTB透析液成分濃度測定装置の認証試験のお知らせ(2019年4月26日)
・一時中断していた血液ガス分析装置の校正パラメータ変更作業を再開しました。 (2018年6月15日)
・クエン酸系の透析液を使用している施設における
血液ガス分析装置の校正パラメータ変更作業の一時中断についてのお知らせ(2018年4月27日)
・透析液成分濃度測定認証装置による透析液濃度管理について
透析施設での「校正パラメータ」(校正式)変更時の手順書(ユーザ編)
2018年1月5日
(一社)日本血液浄化技術学会
理事長 山家敏彦
透析液安全管理の基本となる透析液中のイオン濃度(透析液成分濃度)の測定法については、炎光光度法からイオン選択性電極法へと変遷を経ていますが、イオン選択性電極は透析液成分濃度の測定に適切な装置であるとの確証が得られないまま使用されてきました。そこで、(一社)日本血液浄化技術学会(以下、JSTBと略す)では、2009年から透析液成分濃度測定に関する検討ワーキンググループを組織し、問題点の提示とその解決のために透析剤メーカや透析液の成分濃度測定の装置メーカ及び関連団体と意見交換をするなどの作業を行ってきました。
それらの作業の中で、透析液成分濃度の測定は、臨床化学分析法によるため臨床化学分析の標準化の作業の論理を適用するとよいと考えられたことから、日本臨床化学会POCT専門委員会で、透析液の成分濃度測定の標準化のための透析液用常用参照標準物質の認証値の決定方法を議論いただき、決定していただきました [1, 2]。
それに基づき、(一社)検査医学標準機構で、透析液測定用常用参照標準物質(JCCRM 300)を作製していただくこととなりました。
JSTBでは関係メーカと協力して、JCCRM 300を校正基準として、校正後の測定値の精確さや、測定装置間の測定値の互換性が確保できるかどうか検討し、測定システ ムの当該測定項目毎に、標準物質としたJCCRM 300を用いて校正することにより、測定値に対して一定の信頼性と測定システム間の測定値の互換性が確保されることを確認しました。それらの結果を踏まえ、標準化項目をNa+、 K+、Cl-、pH、HCO3-の5項目とし、これらの測定項目の測定装置について、透析液成分濃度測定装置あるいは透析液測定モードを有する測定システムに対して、当該の測定項目が適正に校正されていることを検証する適合性の評価(認証)を行うこととしました。
認証に当たっては、まず、透析液成分濃度測定装置認証指針作成委員会(委員長小久保謙一:北里大学)において、認証指針を作成し、それに基づき、透析液成分濃度測定装置認証委員会(委員長 清水康:元町HDクリニック)にて、現在市販されているイオン選択性電解質測定装置および血液ガス分析装置に対し、透析液成分濃度の測定に適した装置であるかどうか、認証審査を行いました。2017年5月末に第一回の認証試験を行い、透析液成分濃度測定装置認証委員会により適合する装置とその測定項目が認証されました。 今後は透析液成分濃度測定に適合した認証装置の認証された項目を用いて透析液濃度管理を行うことが望ましいと考えます。
なお、透析液成分濃度測定装置の校正パラメータの変更は、2018年2月1日より測定装置メーカによって順次行われます。その際、装置によっては、パラメータ変更により、従来の表示値から大きくずれる(例えば差の大きい装置では Na 濃度で 6~8mEq/L 程度ずれる)ものもあります。したがって、本認証装置を使用(パラメータ変更、新規導入)して透析液の濃度調整(混合比の変更)をする際には、透析液成分濃度測定装置の認証に関するお知らせ(2017年12月1日)をご覧いただき、自施設にて十分にご検討の上、透析液濃度を急激に変化させないようにご調整ください。
2017年7月2日
(一社)日本血液浄化技術学会
理事長 山家敏彦
透析液安全管理の基本となる透析液中のイオン濃度(透析液成分濃度)の測定法については、炎光光度法からイオン選択性電極法へと変遷を経ていますが、イオン選択性電極は透析液成分濃度の測定に適切な装置であるとの確証が得られないまま使用されてきました。そこで、(一社)日本血液浄化技術学会(以下、JSTBと略す)では、2009年から透析液成分濃度測定に関する検討ワーキンググループを組織し、問題点の提示とその解決のために透析剤メーカや透析液の成分濃度測定の装置メーカ及び関連団体と意見交換をするなどの作業を行ってきました。
それらの作業の中で、透析液成分濃度の測定は、臨床化学分析法によるため臨床化学分析の標準化の作業の論理を適用するとよいと考えられたことから、日本臨床化学会POCT専門委員会で、透析液の成分濃度測定の標準化のための透析液用常用参照標準物質の認証値の決定方法を議論いただき、決定していただきました [1, 2]。
それに基づき、(一社)検査医学標準機構で、透析液測定用常用参照標準物質(JCCRM 300)を作製していただくこととなりました。
JSTBでは関係メーカと協力して、JCCRM 300を校正基準として、校正後の測定値の精確さや、測定装置間の測定値の互換性が確保できるかどうか検討し、測定システ ムの当該測定項目毎に、標準物質としたJCCRM 300を用いて校正することにより、測定値に対して一定の信頼性と測定システム間の測定値の互換性が確保されることを確認しました。それらの結果を踏まえ、標準化項目をNa+、 K+、Cl-、pH、HCO3-の5項目とし、これらの測定項目の測定装置について、透析液成分濃度測定装置あるいは透析液測定モードを有する測定システムに対して、当該の測定項目が適正に校正されていることを検証する適合性の評価(認証)を行うこととしました。
認証に当たっては、まず、透析液成分濃度測定装置認証指針作成委員会(委員長小久保謙一:北里大学)において、認証指針を作成し、それに基づき、透析液成分濃度測定装置認証委員会(委員長 清水康:元町HDクリニック)にて、現在市販されているイオン選択性電解質測定装置および血液ガス分析装置に対し、透析液成分濃度の測定に適した装置であるかどうか、認証審査を行いました。2017年5月末に第一回の認証試験を行い、透析液成分濃度測定装置認証委員会により適合する装置とその測定項目が認証されました。 今後は透析液成分濃度測定に適合した認証装置の認証された項目を用いて透析液濃度管理を行うことが望ましいと考えます。
なお、今後、各透析施設におかれましては、認証装置を使用するために、パラメータ変更や新規導入を行うことになりますが、その際に臨床現場において混乱が起こらないように、現在、装置変更時(パラメータ変更を含む)にともなう、手順や安全な濃度調整に関する注意喚起の文書を作成すべく、関係団体との協調をとりながら鋭意準備を進めております。関係団体との歩調がとれ次第、パラメータ変更や新規導入開始日を連絡いたします。現在、装置をお持ちの施設におかれましては、その日以降に、各認証装置メーカにパラメータ変更依頼を行って頂きますよう、お願い申し上げます。
©2023, Japanese Society for Technology of Blood purification