日本血液浄化技術学会

学術委員会が選ぶ必読論文010


1)慢性血液透析患者におけるIL-1レセプターアンタゴニスト*の細胞内含有量に及ぼす限外濾過透析液の影響。 *IL-1レセプターアンタゴニスト:炎症阻害物質

The Effect of Ultrafiltered Dialysate on the Cellular Content of lnterleukin-1 Receptor Antagonist in Patients on Chronic Hemodialysis

推薦コメント:透析液清浄化の効果を炎症反応のマーカーである末梢血単核球(PBMC)内のIL-1レセプターアンタゴニスト(IL-1Ra)の含有量から調査した論文です。 透析液の細菌汚染が血液透析患者に全身性の炎症反応を誘発することを示すことにより、清浄化された透析液を使用することが重要であることを示した論文です。


2)エンドトキシン:バック・トゥ・ザ・フューチャー

Endotoxin Back to the Future*

推薦コメント:敗血症治療の中で頻回に論議されている エンドトキシンの作用、除去や測定法について、過去の経験から、エンドトキシンそのものを対象とした治療を見直す可能性を示した内容であり、生体反応をターゲットとしたエンドトキシン血症をモニタすることなど新たな方向性を考えさせるものです。


3)患者個々に適正な透析液ナトリウム処方をすることの臨床的有効性

Clinical consequences of an individualized dialysate sodium prescription in hemodialysis patients

推薦コメント:維持透析症例において体液量管理は重要で、飲水量の制限にストレスを抱えている症例は多いです。 この論文では血漿Naと透析液Naの濃度差を減らすことで、透析間の体重増加量や血圧、口渇感などがどのように変化するか調査しています。 体重増加量の多い症例は、自己管理ができていないと決めつけていませんか? 本論文は血漿Naと透析液Na濃度の濃度差が体重増加に影響を与えることを示す興味深い論文です。


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