日本血液浄化技術学会

学術委員会が選ぶ必読論文006


1)血液透析患者はビタミンK1摂取量が少ない。

Low vitamin K1 intake in haemodialysis patients

推薦コメント:透析患者は、タンパク質、脂肪、炭水化物、繊維、およびミネラルの全てにおいて健常者よりも食事摂取量、総エネルギー摂取量共に有意に少ないことがデータで示された論文です。近年の透析患者の栄養不良の根幹を見つめ直すのによい論文かと思います。


2)血液透析患者の心臓手術後の長期生存の予測因子としての大腰筋指数。

The psoas muscle index as a predictor of long-term survival after cardiac surgery for hemodialysis-dependent patients

推薦コメント:我が国の透析領域は、透析患者の高齢化問題に直面しています。 加齢に伴う骨格筋量・骨格筋力の低下をサルコペニアと言い、高齢化の指標として注目されています。本論文は、透析患者のサルコペニアの転帰に心臓手術が影響を与えるかどうかについて研究した論文です。


3)末期腎不全および透析における慢性炎症。

Chronic inflammation in end-stage renal disease and dialysis

推薦コメント:末期腎疾患ならびに透析における慢性炎症に関する論文で、 尿毒症環境における炎症性分子の産生を減少させることを目的とした介入についてまとめられています。また、中分子量尿毒症物質の保持に関連する炎症性allostatic loadを減少させる可能性を秘めた新しい治療戦略として、expanded HD (HDx) と呼ばれる血液透析療法についても触れられた興味深い論文ではないかと思います。


| 利用規約・免責事項 | プライバシーポリシー | 特定商取引法に基づく表示 | リンクについて |

©2023, Japanese Society for Technology of Blood purification