日本血液浄化技術学会

学術委員会が選ぶ必読論文001


1)HDFと末期腎臓病患者の死亡率:4つのRCT結果のIndividual Participant Data解析。

Sanne A.E. Peters, et al. Haemodiafiltration and mortality in end-stage kidney disease patients: a pooled individual participant data analysis from four randomized controlled trials. Nephrol Dial Transplant (2016) 31: 978-984.

推薦コメント:過去に報告されたオンラインHDFとHDを比較した4つのRCT(CONTRAST study、ESHOL study、French study、Turkish study)について、患者間の体格の違いを考慮し、置換液量をBSAあたりに調整し直してIndividual Participant Data(IPD)解析した報告です。オンラインHDFの治療効果、治療法の標準化を行う上で重要な考え方となると思います。


2)最適な置換液量は、患者のアウトカムを向上させる(オンラインHDF治療に関する国際コホート研究より)。

Canaud B, Barbieri C, Marcelli D et al. Optimal convection volume for improving patient outcomes in an international incident dialysis cohort treated with online hemodiafiltration. Kidney Int 2015; 88: 1108-1116.

推薦コメント:置換液量別の生存率を3つの有名なRCT(Turkish study、CONTRAST study、ESHOL study)を集め再評価した論文です。相対生存率は置換液約55L/週から増加し、最大で約75L/週。置換液量が多いと予後が良いという報告です。ただし、欧州からの報告であること、オンラインHDFの希釈法は後希釈であることなど本邦へそのまま適用できるかは分かりません。また患者背景の異なる結果をどのような方法で組合せて、この結論が出されたかというところも、元の論文を読んでしっかり理解しておきたいところです。


3)後希釈オンラインHDFで、同じ置換液量のときに全ての透析器は互換性があるのか?

Jacky Potier, Guillaume Queffeulou, Julien Bouet: Are all dialyzers compatible with the convective volumes suggested for postdilution online hemodiafiltration? Int J Artif Organs 2016; 39(9): 460-470.

推薦コメント:最近ヨーロッパを中心としたRCTでconvection volume (CV)21~25Lで生命予後が良好であるとの報告がされております。しかし、体表面積など体の大きさで補正したとしても、日本で使用されている様なアルブミンリークを想定した膜で同様に考えるのはとても危険だということを考えさせる論文です。


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